国の政策と方向性
精神保健福祉士について
1.資格創設の経緯
精神保健福祉法は、
精神障害者の退院や生活のための相談援助を行う、精神科ソーシャルワーカーが、精神科病院において活躍してきました。精神障害者の社会復帰を促進するに当たって、その役割の重要性が認識され、必要な人材と資質の確保を図るため、精神保健福祉士の資格化が強く求められるようになりました。精神保健福祉士法案は、第140回通常国会に提出され、第141回臨時国会おける議論を経て、平成9年12月12日成立、平成10年4月1日に施行されました。2.資格取得方法
精神保健福祉士の資格を取得するためには、
- 保健福祉系4年制大学で指定科目を履修する
- 4年制大学の卒業後に精神保健福祉士指定養成施設を卒業する
精神保健福祉士資格取得方法【図を拡大する】
3.精神保健福祉士国家試験の概要
- 精神保健福祉士国家試験は、年1回行われます。試験の形式は、筆記試験です。
- 筆記試験の科目(15科目)
筆記試験科目については、精神保健福祉士法施行規則第5条に定めており、次の15科目です。なお、1から10までの10科目については平成21年度試験より、社会福祉士との共通科目としています。 - 人体の構造と機能及び疾病
- 心理学理論と心理的支援
- 社会理論と社会システム
- 現代社会と福祉
- 地域福祉の理論と方法
- 福祉行財政と福祉計画
- 社会保障
- 低所得者に対する支援と生活保護制度
- 保健医療サービス
- 権利擁護と成年後見制度
- 精神医学
- 精神保健学
- 精神科リハビリテーション学
- 精神保健福祉論
- 精神保健福祉援助技術
- 試験は、精神保健福祉士法第10条第1項の規定により厚生労働大臣が指定した財団法人社会福祉振興・試験センターにおいて実施しています。
6.今後の方向
「精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会」において、平成22年3月に「精神保健福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて」の報告をとりまとめました。
これを踏まえ、24年4月から、教育内容の充実や教育時間数の拡充を図る予定です。
【参考】
・精神保健福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて(H22.3.31)
・精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会中間報告書(H20.10.21)
・精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会(議事録・資料)