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医療機関の選び方

 

精神科、神経科、精神神経科、心療内科、神経内科の違いは?

医療機関の看板に書かれている診療科目名がいろいろなので、迷いやすいですね。

精神科、神経科、精神神経科

「精神科」、「神経科」、「精神神経科」は同じものです。どれかが書いてある場合や、併記してある場合は、「うつ病」「統合失調症」「神経症性障害」などの心の病気を診ている、精神科の医療機関と考えて間違いありません。

心療内科

「心療内科」は心理的な要因で身体の症状(胃潰瘍、気管支ぜんそくなど)が現れる、いわゆる「心身症」を主な対象としています。

しかし、「心療内科」と看板に書いてあっても、実際には心の病気を診ている医療機関がたくさんあります。ただし、心の病気を全て診るわけではなく、軽い「うつ病」や「神経症性障害」など一部の心の病気しか診ないところもあります。

神経内科

「神経内科」は、パーキンソン病や脳梗塞、手足の麻痺や震えなど、脳や脊髄、神経、筋肉の病気を診る内科です。精神的な病気を主に診ているわけではありません。

しかし「神経内科」と看板に書いてあっても、実際には心の病気を含めて診ているところがあります。また、「認知症」や「てんかん」は、精神科でも神経内科でも診ています。

わからない場合は

看板に書かれている診療科目名がばらばらなのは、「精神科」と書かれていると受診するのに抵抗を感じる方が多いためです。最近は、上記以外にも「メンタルヘルス科」などが使われていることもあります。看板だけから判断しにくい場合は、直接に電話して、どんな病気を診ているのか確かめるか、インターネット等で予め調べることをお勧めします。また、各地の精神科病院協会や精神神経科診療所協会のホームページに、協会に加入している医療機関リストが掲載されている場合があります。

 
 

精神科診療所(クリニック)、精神科病院、保健所(保健センターなど)、精神保健福祉センターのどこに行けばよいのだろう?

精神科診療所(クリニック)

診療所(クリニック)とは、入院用のベッドを持たない医療機関を言います(19床以下のベッドを備えているところが一部あります)。精神科診療所では、うつ病、不安障害、認知症、統合失調症をはじめ、精神科の様々な病気を診療しています。駅前など、通院する人の利便のよい場所にあることが多くなっています。

精神科病院

精神科病院は20床以上のベッドを持っており、必要な場合には入院できるところが精神科診療所と異なります。精神科病院では、うつ病、不安障害、認知症、統合失調症をはじめ、精神科の様々な病気を診療しています。病院によっては、救急医療や、子ども・依存症など特に専門的な医療を行っているところなどがあります。

総合的な病院の精神科

内科や外科などたくさんの診療科目を持つ、総合的な病院で、精神科の診療も行っているところがあります。身体と精神の病気を一緒に診てもらいたい場合などに役立ちます。

保健所(保健センター)

各地域にある保健所(保健センター)は、心の問題を含めた様々な病気や生活の問題の相談に乗ってくれます。精神科の受診が必要かどうか分からない時や、ご家族や知人の方が相談したい時などに気軽に相談してみましょう。

保健所の一覧はこちらへ

精神保健福祉センター

精神保健福祉センターでは、心の問題に関わる専門的な相談を受けつけています。「アルコールや薬物依存」「ひきこもり」「発達障害」「認知症」など、専門的な相談にも対応できます。「こころの健康センター」などと呼ばれている場合もあります。各都道府県と政令指定都市に1か所以上設置されています。

精神保健福祉センターの一覧はこちらへ

 
 

医療機関を選ぶときのアドバイス

精神科医の得意分野で選ぶ

たいていの精神科医師は、うつ病や統合失調症や神経症など心の病気を幅広く診療していますが、小さい子どもや思春期を得意としている医師、アルコール依存の治療を得意とする医師、「てんかん」を得意とする医師など、得意分野を持っている医師もいます。

受診する前に医療機関へ連絡し、誰がどのような症状でかかりたいのかを伝え、受診が可能か確かめてから受診することをお勧めします。

医療機関の専門性、治療プログラム、配置スタッフで選ぶ

医療機関によって、デイ・ケアやナイト・ケア、集団療法などの治療プログラムを実施しているところがあります。

また、生活支援の調整を行う「ソーシャルワーカー」や、心の悩みを傾聴する「カウンセラー(臨床心理士などの臨床心理技術者)」などの専門スタッフを配置しているかどうかも異なります。

医療機関に隣接して、カウンセリングセンター(通常、医療保険は適用されません)を併設しているところもあります。

こういった医療機能の情報を知ると、医療機関を選ぶときの参考になります。

医療機関の所在地、時間帯を考えて選ぶ

心の病気は通院期間が長くなることが多いので、通いやすい場所にあること、自分の通える曜日や時間帯に診療しているかどうかも重要です。

主治医やスタッフが十分に話をきいてくれるかどうかで選ぶ

主治医やスタッフとの相性もとても重要なことです。自分の心の状態を分かってもらえてないと、治療の効果が十分に上がらないこともあります。ただ、主治医やスタッフに自分の心の状態を十分に分かってもらうのには、それなりの時間がかかります。すぐに分かってもらえてないからと言って、通院先を次々に変えるのが良いとは限りません。

条件にあった医療機関をさがす
(各都道府県ごとに、医療機関の検索ができます。)

 
 

急に具合が悪くなったときには?(精神科救急医療)

夜間や休日に急に心の病気の具合が悪くなったときには、かかりつけの医療機関がある場合には、まず連絡することをおすすめします。診療時間外でも、診療を受け付ける場合があります。

夜間や休日にかかりつけの医療機関が利用できない場合、かかりつけの医療機関がない場合などには、精神科の救急医療機関を利用することになります。このようなときにも、精神科の医療機関を受診できる体制整備が、各都道府県で進められています。

救急の受診では、たいていの場合、対応するのは初対面の精神科医です。また、対応できる医療機関が遠いなど、不便なこともあります。

救急を利用しなければならないような事態が起きないようにすること(救急予防)が重要です。普段から、具合が悪くなるサインを自分で知っていて、その時どのように対処したらよいかを主治医と話し合っておきましょう。サインが現れたら、医師の指示に従って、調子が悪いときのための薬を使うなど、自分にあった対処方法で対応し、早めに主治医に相談するようにしましょう。

救急で精神科医療を受けたいときの相談窓口

 
厚生労働省